2015年11月5日木曜日

青森の旅(4) 浅虫温泉にて

旅行の計画を立てるとき、せっかく青森に行くことだし、一泊くらいは温泉に泊まろうかなあ、と思いました。まずは、一度行って二度目を行き損ねたままだった不老不死温泉を考えたのですが、弘前から電車で2時間ほどかかるし、と迷っていた矢先、テレビの温泉ランキング的な番組で1位になってしまい(笑)、あっという間に予約が埋まってしまいました。次に、弘前に近い大鰐温泉を調べてみると、こちらも満員です。それでは、ということで浅虫温泉のホテルを調べると、一人で泊まれそうなプランがあったので、それにしました。

浅虫温泉は、青森から電車で 20 分くらい陸奥湾を海沿いに八戸方面に行ったところににあります。青森県は温泉が豊富なのですが、たいていの名湯は、交通不便な、自然と風呂しかない、というストイックなところになってしまいます(笑) ここは、青森の街からも比較的近くて交通の便もいい、いわゆる古くからの温泉街といった雰囲気があります。

弘前に住んでいたころ、お知り合いの方が北海道に赴任することになって車で移動する途中、示し合わせて泊まったとき以来です。その後、東北新幹線が新青森まで開通したので、今回、初めて青い森鉄道に乗ったことになります。

16:00 前に弘前を出て、着いたのが 17:00 頃で、すでに真っ暗でした。前もって宿に到着時間を知らせてあったので、車で駅まで迎えに来てくれ、そのままチェックインしました。

以前に訪れた宿は少し奥まったところにあり、かの棟方志功が創作にいそしんだところだそうで、かなり格式が高そうだったのですが、今回の宿は、海のそばの、いたって普通の気のおけないところでした。運よく、上のほうの階の角部屋だったので、うるさくなくてすみました。建物が古く、セントラルヒーティングが繊細ではなかったので(笑)、「弱」にしても暑すぎ、「切」にすると寒くなってしまうことと、 ネットがつながらないことが少し困りましたが。

何はともあれ、まず、ひと風呂浴びに行きました。泊まっていたのと別の館の最上階に展望風呂があったのですが、あいにく、もう真っ暗で遠くにぼんやりと青森の街の灯が映っているのがわかる程度でした。露天風呂は寝転んで入るタイプ浅いもので、既に風も冷たいので、きちんと浸かっていないとすぐに寒くなってしまいますが、夜空を見上げて浸かっているのもなかなか気持ちのよいものでした。

近くから来ていると思しき、私よりももう少し年上のおじさん二人が、仕事が忙しいからどうしても週末にここで一泊してばかりだけど、退職したらせめて二泊か三泊かけてもっと遠くに行きたいねえ、というような話をしているのを聞いて、たびたびこの温泉に来ることができるというのも、それはそれで贅沢なことなのではないかと思ってしまいましたが(笑)

部屋に帰ったら夕食になりました。依然として、手堅く、手早く、という感じで、中居さんも、長々とご挨拶した後でひとつひとつの料理の産地と料理法と面倒くさい食べ方を説明する 、などということは一切なく(笑)、ふたつの鍋の下の固形燃料に火をつけると、こちらは蒸し物、こちらは焼肉なので、火が通ったら食べてくださいねえ、と、それだけですが、味はなかなかです。青森では、肉、魚、野菜のどれも素材がおいしいので、微妙な味付けが気になるような食通でない私は、宿泊するときに食事が不味いのではないかと心配しないですみます。

翌日は夕方の新幹線に乗るまで青森市内をぶらぶらする予定で、夕食後、その計画を立てるつもりでしたが、部屋にLANケーブルのジャックがないのは想定外でした。WiMAX のルータも持ってきてはいるのですが圏外です。かくして、ネットで下調べができず、次の日は、行き当たりばったり、臨機応変に行動することにして、所在無くテレビをつけ、ブラタモリでタモリさんが富士山頂に立つところを見ていました(笑)

普段はカラスの行水なのですが、せっかく温泉に来たのだからと、もうひと風呂浴びると、完全にやることがなくなりました。生きる意味や人類の未来について考えながら(ウソです)、早々と眠りにつきました。

早寝したので、翌朝は早朝に目が覚めました。何気なく窓の外をみると、実は、ホテルの建物は海の目の前で、とても眺めのよいところでした。着いたときは真っ暗だったので全く気づきませんでした(笑) 海を眺めながらの展望風呂はより一層気持ちがよいものなのでしょうが、普段、朝風呂の習慣がない私が、こんな肌寒い時期に風呂に入ってから外を歩き回ると、風邪をひくのは目にみえているので、それはあきらめ、宿で出された青森名物貝焼きのついた朝食をとって、最終日の青森観光に出発しました。