2015年2月4日水曜日

理不尽を目ざす?

昨日は発表会であまり手をつけられなかったので、2日に行った線形代数学の期末試験の答案を採点しました。

広範な計算を出題することになり、1問あたりの計算量を小さめにした素直な問題を主にしたので、平均点は高いと見積もっていました。結果としては、確かに前の2回より高得点だったのですが、漠然と予想していたほどではなかったという感じもします。

本当に危なかった方々の大半はきっちりと仕上げて得点していたので、全体的にわかっていなかった、というよりは、すでにある程度得点の貯金があってあまり準備をしなくても単位をとれるであろうことを見越して、試験期間で密集する中の他の科目に力を注いだ人がある程度いたから、ということのようです。まあ、それは勝手といえば勝手なのですが、今回の範囲が、連立1次方程式の解や逆行列をはき出し法で求めることや、行列を対角化することのような、来年度以降確実に使うことなので、それでいいのかなあ、という疑問は拭えません。

試験のための勉強をするのではなく、数学そのものを自分の意欲で学んでほしい、というつもりで、成績でストレスを与えないよう、試験にどういう問題が出るか、とか、どういう評価をするか、ということは最初からオープンにしている上、学期途中で、次の試験に何点取れば単位が出るか、というような質問をされてもはっきり答えてしまうようにしているのが、よくないのかもしれません。

在学生や卒業生の方々と話していると、何とかの科目は本当に大変だったなあ、という話になったりするのですが、私の科目はほとんどそういう話題には上りません(笑) トラウマになっていない、と言って喜ぶべきなのか、印象に残っていない、といって悲しむべきなのか、複雑なところです。

予測不可能な、理不尽なほどの困難さを必死に乗り越えた記憶のほうが鮮明に残るようだし、これからは路線変更したほうがよいかなあ、と、いう考えもちらちら頭に浮かんでいます(笑)