10 日ほどブログを更新していませんでした。初めての年度でよくわかっていなかったのですが、2月前半は、学期の試験が終わって成績をつけて、入試に関する様々な業務があって、その他の事務手続きの締切りも多くある、という時期で、さらには、今年度の特殊事情で予期せぬ事態に振り回されているのですが、卒業研究も結局はぐずぐずと先延ばしにされたので、物凄く忙しくなってしまいました。この件に関しては、そのうち、このページでも盛大にグチると思います(笑)
まだ先が見えないのですが、今日はようやく少し時間が空いたので、久しぶりに絵を見にいこうと、東京都美術館の新印象派展に出かけました。印象派の考え方を推し進めて新たなスタイルが形作られて、それがフォーヴにいたるまでの過程は興味深かったのですが、中盤、いかにも新印象派、というあたりで、どうしても、ほとんどの絵が似たように思えて足早になってしまったようで(笑)、予想したよりも早く見終わってしまいました。
まだ時間があるなあ、と思って上野公園を歩いていると、国立博物館で、みちのくの仏像、という特別展が開催されているのに気づきました。ちょうどよかった、と、入ってみると、東北各県からの趣き深い仏さまがいらっしゃっていて壮観でした。
やはり、青森からの仏さまが気になるのですが(笑)、円空作の仏像が2点展示されていました。まだ若い頃の作で、後にトレードマークになる大胆なプリミティブさはなく、衣の様子まで滑らかに丁寧に仕上げてあったのですが、切れ長の目と優しい微笑みには将来に通じる作風が伺えました。
2点のうちの地蔵菩薩像の所蔵先を見ると、弘前の新寺町にあるお寺でした。他国から流れてきた円空は、当初、弘前での滞在を許されず、追い払われて蝦夷地に行ったという記録があるのですが、戻ったときは、なぜか居ることを認められたらしく、そのときに制作されたようです。
弘前に住んでいたとき、その付近は定番の散歩コースで何度となく行き来していたのに、こんなよい仏さまがいらっしゃるとはつゆ存じあげませんでした。確か、弘前市立博物館で「津軽のほとけ」という特別展があったときにも、お出ましではなかったのではないかと思います。観光スポットにしてもよいくらいの作なのに、黙ってしまっておくなんて、あの街らしいなあ(笑)、と、可笑しくなってしまいました。
それにしても、8年間、何度となく接近していたはずなのに会うこともなく、遠く、東京で初めてお目にかかるというのも、不思議な気がします。