大学の正門付近に黒いネコがいるときがあります。のどかな大学なので意地悪されることもなさそうですし、ネコのほうも人馴れしていて、学生さん達によく撫でられています。
この大学では向うが古株なので、すれ違うときに、やあ、先輩、こんにちは、と声をかけると、時には、にゃあ、と返事をしてくれます。ネコ好きなので、立ち止まって構ってみたくもなるのですが、40代のオジサンが猫撫で声でネコを可愛がっているところを学生さん達に見られると、ダイガクキョージュの威厳が台無しになるので(ウソです。実際はすでに威厳は崩壊しているのですが(笑))、いつもは、ちょっと撫でるくらいにしていました。
数日前、ちょうど周りに誰もいないときにそのネコがいて、相手がいなくて退屈していたと見え、声をかけてきたので、撫でてあげました。その日は格別ご機嫌がうるわしく、喉をゴロゴロ言わせ、お腹を見せて寝転んだので、そちらも撫でて差し上げると、すっかりご満悦のようです。そのうち、起き上がり、尻尾をまっすぐ立てて、私の足に横腹をこすりつけてきました。
親愛の情を示してくれているポーズなのでうれしかったのですが、かつて実家でネコを飼っていたときの経験によると、さらにテンションが上がると、シャワーというか、スプレーというか ・・・、の可能性があります(笑) さすがにそれは危険なので、なるべくご機嫌を損じないようにさりげなく、じゃあ、また、と離れました。
ネコのほうは、何だ、つまんないの、というような表情で、こちらを見送っていました(笑)