2014年7月16日水曜日

相変わらずひねくれたヘタレっぷり

こんな本が届きました。

弘前大学出版会設立 10 周年記念出版として、107 名の教員の座右の銘や心に残る言葉と、それにまつわるエッセイを掲載した本で、不肖ニシザワも拙文を寄せております。

当然、人格と教養を見込まれたから、ということではなく、昨年度の初めころ、当時の学部長先生が数学講座の所属で、別の用事があって伺ったとき、そういえば、こんな原稿書いてくれる人を出版会の人が探してるんだけど、どう? と、聞かれて、ああ、いいですよ、と申し上げると、それなら知らせておくから、後でニシザワさんのところに出版会から連絡があると思うから、という調子で頼まれたという、手近な人で間に合わせようという縁故指名だったのでした(笑)

ほどなく出版会からも依頼があり、それから1週間ほど経ったころ、ふと思い浮かんだ、落ち込んだ時の特効薬であるこの本の一節を引用することにし、ブログを書くのと同じ調子で 30 分ほどで 400 字くらいの駄文を書き上げました。さすがにもう少し検討した方がよいか、と、寝かせておいたのですが、結局他のことでばたばたしているうちに手付かずのまま放置されることになり、6月頃、締切り 5日前にそのまま提出しました。あとは、2月頃に校正刷が来て、恥ずかしい漢字の間違いをしていたのに気づいてあぶないところで訂正し、すでに移動することが決まっていたので、あのう、4月からいなくなるんですけどどうしましょう? と確認した、というのがこの原稿に関わった全てで、改めて本に収まっているのを眺めると、今さらながらいい加減で申し訳ないような気もします。

ぱらぱらと眺めてみると、多くの先生方は、高い志を持とう、挑戦しよう、と学生さんを鼓舞する文章をお書きになられていて、そんな中、

君のおぼえた小さな技術をいつくしみ、その中にやすらえ。

なんて言葉を座右の銘としてあげてしまうあたり、相変わらず、自然体にしてひねくれたヘタレっぷりだなあ、と苦笑してしまいました。

あ、勿論、マルクス・アウレリウス皇帝は、自らの成すべきことを無私無欲に、無心に行おう、といっているのであって、ヘタレなのは私ですので、と、言わずもがなの補足をしておきますが。

そんな、ナチュラル・ボーン・ヘタレな私が、挑戦なのか逃避なのか本人もわからないまま(笑)、気がつけば弘前を離れていました。ご覧のように、新しい場所での新しいうろうろ、ばたばたが始まり、自分の成すべきことをいつくしみ、やすらぎを見出せるようになるのはいつになるのやら、という感じです。

それでも、ときどきは『自省録』を眺め、そうだよね、と、空を見上げて暮らしていこう、と思ってはいるのですが。