以前に勤めていたところでもそうだったので驚かなくはなってきたのですが、相変わらず釈然としないのは、自由記述欄に「黒板の字が小さい」という記述があることです。何が釈然としないかというと、講義をしている教室の前3列くらいにはほとんど誰も座っていないですし、受講者全体のうちの4分の3くらいの方々は、後ろから3分の1くらいのエリアに座っているのです。もう、6,7回は講義をしていて、すでに、指される心配がないこともわかっているのに、前のほうに移動しようとすらしないで(もしかしたら、気づかないで?)、「要望」を出しているというのが、どうも理解できません。
このようなアンケートを初めて行った頃は、てっきり、匿名であるのをいいことに、教員に聴きいれられたらラッキー、というような都合がよい要求を、わかっていながらいちかばちかで書いているのかと思っていたのですが、読んでみると、これが、建設的な提案であると信じ込んでいるとしか思えない文面もあるので、驚いたのです。
もうひとつ、予習の資料がないのが不安で、それが無いから勉強できない、というような記述があったのですが、最初に配った印刷物に参考書を挙げていて、順番は変えてあるけどここからここまでの内容を講義します、と、明記してありますし、もし、順番どおりに予習したいならば、私に聴けば即座に解決することなので、この主張も、どうもよくわかりません。
例え、教員が前でしゃべりまくっている授業だったとしても、自分が動けばどうにかなることはかなりあります。何をすればよいかわからないときは質問することもできるはずです。面と向かわなくてすむ場所で主張することより、そうやって自力で解決しようとすることが「やる気」なのになあ、これから自分が教える生徒さんたちの自主的な学びを促すためにどうするか、と考えなければならない人たちなのに、「自主的な学び」が何だかわからないのならば心配だなあ、と、思ってしまいます。これで、こと足れり、と思われてしまったとすると、アンケートをしたことが逆効果になりますので、これからどうするかは考えなければならないかもしれません。
まあ、そうやって動かないでいるというのは結局は切迫していないからで、こちらから聞かれたから、何でもいいから答えておけ、というくらいの気分だった、というならば、それでよいのですが。