夕方、散歩から帰ってきたらちょうど「笑点」をやっている時間だったので、テレビを観て、終わった後、何気なくチャンネルを変えていたら、弘前城が目に入り、どうしたのかと眺めたら、「相葉マナブ」という番組で、方言をテーマにしていました。ソフトバンクの工藤新監督がゲストで、南のほうの博多弁と、北のほうは、なぜか(最も判別しにくだからでしょうか(笑))津軽弁について、通じにくい言葉の意味などを紹介していました。
8年ほど居たことになるのですが、電池のことを「すみ」(=炭?)というのは1度も聞いたことがありませんでした。親友のことを「けやぐ」というのを、当初、「客」が変化したのだと思っていて、ゼミの学生さんの教員採用試験の自己PRを添削したときに「契約」が語源であるのを知ったのですが(笑)、その言葉も紹介されていました。 「だめだ」というとき、「まいね」とか、「まね」とかいうのは、てっきり、「まいったね」が元だと思っていたのですが、「間に合わない」が語源だったのを、今日、初めて知りました。
テレビでもやっていたのですが、津軽弁では、ひとことだけの言葉、というのが多く、「私」は「わ」で、「あなた」は「な」で、「おいで」は「こ」(=来い?)で、「食べなさい」は「け」(=食え?)です。弘前の名物料理に、野菜や山菜を細かく刻んで入れる「けの汁」があるのですが、この「け」は「粥」のことらしいです。地元出身の学生さんの説によると、外は寒いから、なるべく口を開かないようにするため、言葉が短くなったのだそうです(冗談でいったのかもしれませんが(笑))。
最初は、ひらがな1文字の単語が何を意味するか見当もつかず、ようやく少しだけでも慣れてくると、簡潔な言葉は命令語が多いので物柔らかに聞こえずにビビッていたのですが、まわりくどくない、ぶっきらぼうな中に情があるのに気づいてきて、わからないながらも、いいなあ、と思えるようになった頃、弘前を離れることになりました。
ひさしぶりに聴いてみると、ヒアリング能力が落ちていて(笑)、以前よりも通じなくなってしまってはいたのですが、やはり、親しみを感じます。
こういうのを見ると、弘前に行きたいなあ、とも思うのですが、特に居場所があるわけでもなく、去る者日々に疎し、といったところでしょうから、勇んで出かけても、かつて散歩コースだった観光スポットを所在無げにぶらつくくらいがせいぜいかもしれません(笑)