そんなことをいいつつ、4月以降、すでに、「ウォーホル展」(森美術館)、「ミラノ・コレクション」(Bunkamura ザ・ミュージアム)、「バルデュス展」(東京都美術館)、「ハーグ派展」(損保ジャパン美術館)、「デュフィ展」(Bunkamura・ザ・ミュージアム)、「オルセー美術館展」(国立新美術館)、「ヴァロットン展」(三菱一号館美術館) には行っていたようなのですが・・・(笑)
昨日は大学の体育祭、今日は創立記念日で、明日からの土日と合わせて四連休の予定だったのですが、体育会の学生さんや1年生以外はあまり体育祭には参加しないようなので、いよいよ差し迫ってきた4年生のセミナーを昨日行いました。今日は大学が閉まっているかもしれないということだったので、そういえば、ここのところ美術館にも行っていなかったなあ、と、思い出し、秋のシーズンの展覧会のなかから、会期終了が早そうなものを見繕って、出かけてみることにしました。
と、力んでみましたが、天気もよかったせいか、会場は、もっとお得に無料で入れる 65 歳以上の方々でごったがえしていて、平日だし、(失礼ながら)そこまで有名でもないからゆっくり鑑賞できるのではないか、というあては外れてしまいました。私も11 時頃、辛うじて午前中には着いたのですが、年配の方々、みんな早起きなのですよね(笑) まあ、大体、せっかちだし、100 枚以上の絵をみるのはなかなか大変なので、後半はじっくり眺められるくらいにはまばらになったのですが・・・(笑)
岡倉天心門下で、横山大観とともに明治以降の日本画の基礎を築いた方で、実は、私の予備知識は、大観と一緒に出てくる名前、くらいしかなかったのですが、どっしりと、堂々とした大観に対して、繊細さや鋭さで十分に拮抗していたようです。明治時代、急激に立ち現れた西洋画に直面しながら、彼らが新しい日本画の可能性を模索し、拓いてゆく有様が印象的でした。早逝した春草の多くの試みは、画業の途上で終わってしまったのかもしれませんが、そのひたむきさ、志の高さが気品となって漂った作品はとても気持ちのよいものでした。
近代美術館は常設展も充実しているので、そちらもぶらぶら眺めていたら、見終わったときには14:30 過ぎになっていました。買い物でもして帰ろうかなあ、と思わなくもなかったのですが、11 月上旬に終わってしまう展覧会は見逃してしまうといけないから、やはり、もうひとつ見にいこう、と、普段、仕事では見られないような積極性を発揮し(笑)、新宿まで出て、損保ジャパン美術館の「ノルマンディー展」も見ました。
この地方を訪れて風景画を描いた、コロー、ブータン、クールベ、ヨンキント、ドービニーといったあたりから、モネを経て、デュフイに至るまでの、コントラストが明確な景観に触発されて、表現が形成されてゆく様子を辿っています。
前にこの美術館でみたハーグ派のときも、ゴッホやモンドリアンに至る源泉を探っていて面白かったのですが、今回も、ノルマンディーの明るい陽光のもとで写生することに始まる、印象派やフォーブへの兆しがみられるところが興味深かったです。最終的には、天才が鮮やかに統合するのでしょうが、そこに至る萌芽は時代の中に散見されるものなのだなあ、と、改めて感じました。