実家に用事があって電話をしたら、弘前の桜が満開だってテレビでやっていたけど知ってた?と聞かれ、知らなかった、と答えると、薄情だとなじられたので、単にテレビを見ないだけで、それから、去年は散々待たされた挙句にGW過ぎにようやく咲いたので、今年もまだだと油断していたのだ、と強弁しておきました。改めて、観光コンベンション協会の開花情報を見ると、もう、すでに弘前公園は満開のようですね。観光関係者の方々にしてみたら、少し早過ぎかもしれません。
現在住んでいる場所の最寄駅にも、弘前のポスターが貼ってあり、つい1月ほど前までは自宅から歩いて 15 分くらいの近所が、旅行しなければ行くことのできない観光地になっているのが、まだ、しっくりこないままです。
移ってきたとき、こちらの桜はすでに満開に近く、東京に行き来する合間に、目黒川、千鳥が渕、上野公園では、通りすがりながらも花を眺めたのですが、唐突な感じは否めず、やはり、一日一日、今か今かと待たないと、花のよさは実感できないのかもしれません。
この時期のあの街の夢のような情景は、人々の春を待つ思いの深さ、春が来た喜びの切実さから生まれるのでしょう。宿をとるのは不可能に近いので、これからは桜の季節に弘前を訪れるのはなかなか難しいでしょうが、八回もあの真っ只中にいることができたのは幸せなことだったと思います。