以前、私の研究室の本棚を眺めて、宝の山じゃないですか、と、言って下さった方もいたのですが、数学書の類は、重要なものは長い目で見ると大体再版されるので、古本屋で探し当てて高い値段で購入しても、後に新たに綺麗で廉価なものが出回って悔しい思いをすることがしばしばです。この本は、日本評論社の数学叢書版を古本屋で購入した後すぐにちくま学芸文庫で再版されましたし、この本も、結構な値段で古本屋で購入した直後に復刊されました。以前、洋書の蔵書で自慢していたのは、Baxter の "Exactly Solved Models in Statistical Mechanics" と、Chihara の "An Introduction to Orthogonal Polynomials" だったのですが、どちらも Dover で出版されたうえ、 さらに、Baxter の本にいたっては、無料でダウンロードできるようになっていました。もちろん、数学全体のためにはそのほうが望ましいので、私が自慢できるかどうかは問題ではないのですが(笑)、もし、再発されるのがわかっていたら、あんなに散財して買う必要はなかったのになあ、と、恨めしく思うこともあります。
それでも、私の場合、大体の本はざっと斜め読みして放り出しておいて、必要になったり、思い出したりしたときにおもむろに読み直すことが多いのと、職場の図書館に数学書が大量にある、というわけにはなかなかいかない環境なので、これから入手できなくなるのではないか、という不安がつきまとって、ついつい読めもしない本まで買ってしまいます。あと、それから、独り者で、家計のことを考えなくなっている、という、悪しき原因もあります(笑)
そんなわけで、そのうち、自慢できなくなるかもしれませんので、廉価で再発される前に、ちょっと見せびらかしておくことにします(笑)
まず、特殊関数関係の本です。
ミラー著(折原訳)の「リー理論と特殊関数」
ホックシタット(大槻、岡崎訳)の「特殊関数」、ただし、これは原著が入手しやすいので、それほど日本語訳が必要ではないかもしれませんね。
これは、以前は手に入りにくかったのですが、最近はどうなのでしょうか?
次に、専門とは関係ない数学の本から。
以前、お知り合いの方に見せていただいて、面白かったのですが、なかなか入手することができなかった本です。昨年くらいに、ようやく見つけたので購入しました。線型代数の自然・社会科学への応用に関する本は、他にも、こんな本 や こんな本 もありますが、この本は特に充実しているようです。
もはや、数論関係者に見せびらかすこと以外に使いみちがなくなってしまいました(爆)
次は、数理哲学や数学史の本で、最近復刊されていなそうなものです。
ラカトシュ「証明と論駁」。古本屋に出ていたのを衝動買いしてしまいました。これくらいの本はコンスタントに流通していてほしいという気持ちと、結構な値段だったので、これで安価な復刊をされたら浮かばれないという気持ちが混ざり合って複雑です(笑)
ラッセル「数理哲学序説」。この本も 20 年近く復刊されていないのですね。
オスカー・ベッカー「数学的思考」。これも品切れですね。こちらはまだ流通しているみたいですが。
最初に書いたように、洋書ではほとんど希少な本はなくなっていますが・・・。
Noerlund の差分方程式の本です。これは、AMS Chelsea で品切れ(絶版?)になっていて、欲しかったのになかなか見つけることができませんでした。数年前に、偶然、古本屋で見つけました。
最近、こちらも古本屋で見つけました。やはり結構な値段でしたので、安価で復刊されたりするとやりきれない気持ちになりそうです(笑)
これは9冊揃っています、ということで(笑)
研究室に本が並んでいるのを見て学生さんが感心しているときは、ふっふっふ、ダイガクのセンセイとはこういうものさ、と、悦にいった気持ちになるのですが、大抵、その後、すごいですねえ、これ、全部読んだんですか? と聞かれて、返答に困ることになります(笑)
こんなことをしているので、本の収納がなかなか進みません(笑)